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本日の動画

あるところに、貧しい家庭に生まれた少女がいた。

少女は決して裕福とはいえない家庭環境のもとで育ったが、
それでも一言も不満やグチをこぼすことは無かった。

なぜなら、女手ひとつで自分を育ててくれている母の苦労と努力を、
子どもながらにして しっかりと理解していたからだ。

少女は、自分の存在が母の重荷（おもに）に
なっているのではないかと考え、
あるお金持ちの屋敷で下（した）ばたらきを始めた。

当然のように、少女は屋敷に住んでいる子どもや、
さまざまな人間たちから心が痛むほどの仕打ちを受けてしまう。

いたいけな少女を傷つけたのは人であったが、
その少女を救ったのも、また『人』であった。

少女は、そこで『友達』というものの大切さを学んだ。

かわいらしい少女は、すくすくと育っていった。

そしていつしか、少女の胸の奥には
燃え上がった「たった一つの夢」が芽生（めば）えていた。

【誰からも、何からもひとつとして支配されることの無い、
そんな自由な人生を生きてみたい・・・】

「あのね、ママ、あたし、旅に出たい。」

なにをバカなことを･･･と、とりつく島もない母親。
※（とげとげしい態度でまったく相手にされていないという意味）

しかし、わが娘（自分の娘）が
けなげに夢を叶える為の準備と努力をしている姿に、
いつからか母は心を動かされるようになる。

「元気に帰ってくるのよ…！あなたの帰る所は、
ママがちゃんと守っておいてあげるからね。」

「ありがとう…ママ。」

旅立ちの日。

母は仕事のため少女を見送ることはできなかったが、
玄関には母からの贈り物が用意されていた。

食料と、日記帳と、色えんぴつと、
そして少女の好きな青リンゴ。

少女は母からもらった赤いリュックサックに、
それらの贈り物を１つ１つ、大切に入れてゆく。

「いってきます。」

こうして、少女の幸せ探しの旅が始まった。

つづく。

 

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